四つの視点 第37回(3) 今月のテーマ「ISO14001自己宣言の課題」

四つの視点(第37回) 今月のテーマ「ISO14001自己宣言の課題」

自己宣言の社会的客観性・信頼性の問題点

企業/丸紅金属(株) 代表取締役社長 梶田 雄三 氏


「業務改善=ISO14001」


弊社は、デジタル家電・電子部品用途を中心に金属材料・金属加工品を販売する開発・アライアンス型の専門商社です。

弊社は、「NPO法人 環境ISO自己宣言相互支援ネットワークJAPAN(以下、セルフデクル)」のご指導のもと、2005年10月にISO14001を自己宣言にてシステム構築しました。ISO14001に取り組むきっかけは、(1)顧客の要求度の増加、(2)ISO14001を業務改善とリンクさせ、儲けるための自分流環境経営のシステム構築が可能であることをセルフデクル様よりご教授いただいたことによります。

弊社のEMSの特徴は、「業務改善=ISO14001」の発想を前面に出し、一見環境とは直接関連しない業務も含め、すべての業務を環境負荷の観点から見直しました。

無駄・困っていること・ミス・効率の悪さは環境汚染につながります。

逆に仕事のできる人(ミスをしない・予測し準備する・クレームを大切にし強みに転じる)は利益創造時間が短く、しいてはCO2排出の軽減になるとの考えから成り立っています。

また、ISO構築のための膨大な書類(紙資源)の消費という矛盾を回避すべく、議事録などの必要書類をすべて電子データ化し完成させています。そのためにPC・社内LANの再構築・データ保管のためのセキュリティ機器などに投資しました。

また、スムーズな電子データ化を行うためキーボード操作のスキルアップを全員に義務づけ定期テストしています。

自己宣言の社会的客観性/信頼性


環境省の見解として、政府の第三次環境基本計画では、自己宣言方式、審査登録(認証取得)方式に限らず、ISO14001の普及促進を図ることとしています。よってISO14001の規格原文はもちろんのこと、行政としても自己宣言方式の社会的客観性は、確立されていると考えています。

一方、社会的信頼性については認証取得している有名企業の不祥事のニュースを聞くと悲しく思いますが、真に取り組んでいれば信頼は得られるものと確信しています。信頼は「顧客=社外」から得るものですが、その創造は自らの努力以外にありえないと考えます。

といえども、手前味噌に偏ったり、情報不足になる可能性を否定できないのも事実です。やはりそこには何らかの「自らを律する仕組み」が必要と思われます。そこで弊社は、利害関係のともなわない第三者からの指導と監査を選択しています。

外部支援は積極的に活用


弊社がお世話になっているセルフデクル様以外にも、費用が安価でISO14001の構築・継続を助けてくれる支援組織が増えたように思われます。多額な費用を容易にかけることができない弊社のような中小企業は積極的にその手の組織を活用すべきでしょう。ただその考えは、決して第三者審査をともなわない外部組織という手段を全面的に肯定しているのではありません。。

内部監査は、経営層・環境管理責任者の能力・質が問われるところであり、会社経営と同様に自らの力量を適切に判断し、その手段を選択する必要があると思います。

<アイソムズ 2006年10月号掲載>

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