四つの視点 第38回(1) 今月のテーマ「ISO22000への期待」

四つの視点(第38回) 今月のテーマ「ISO22000への期待」

中小食品企業の管理レベルを上げる

審査登録機関/(社)日本能率協会 審査登録センター 副センター長 大倉 征俊 氏


中小食品企業への普及を期待


ISO22000も審査機関の認定基準、審査員の資格基準であるISO/TR22003の正式発行が迫りつつある。JABも2007年2月に認定基準の説明会を開き、3月から認定申請を開始することになった(ただし、ISO9001やISO14001と同様のマネジメントシステム規格であるにもかかわらず、JIS規格にならないという行政の縦割りの矛盾は解消されていない)。

ISO22000の考え方が普及すれば、ISO9001は自分たちに馴染まないと思っている中小の食品(加工)メーカーも、この規格は自分たちのものだと認識し、考え方と手法を活用することになろう。これにより、圧倒的に多い中小食品企業の管理レベルが上がることは、消費者にとっては大歓迎すべきこととなる。

また、食品の最上流から下流まで食品に関係する組織が、ISO22000を導入、活用することにより、社会的な食品の「安全」保証がより確かなものとなることに貢献するだろう。結果として、製品リコールの減少、食品事故の減少により、トータルな社会的コストも減ることになるであろう。

さらに、ISO22000の考え方が普及すれば、この規格は自分たちのものだと認識するだろう。

ISO22000の普及により、
(1)ホテル、レストラン、ケータリング会社、圧倒的に多い中小食品企業の管理レベルが上がる
(2)市場からの信頼向上による業績向上
(3)社会的な食品の「安全」保証がより確かなものになる
(4)製品リコールの減少、食品事故の減少により、トータルな社会的コストも減少

組織のベクトルを一つに


ISO22000を導入するにあたって、一番大切なことは、経営者が問題意識を先んじて打ち出し、組織のベクトルを一つにすることである。企業体質の強化、競合的差別力をつけるために製品の「高い安全性」を仕組みとして保証することで、働いている人たちにも「高い安全性」が自社の生命線であることを認識させることである。

じつは、この経営者の強い思いと決断がISO9001、ISO14001のみならず、経営管理技術の運用において、「月とスッポン」の成果の差になるのである。「ISO9001、ISO14001を導入したが成果が上がっていない」などと、発言したり、各種アンケートで回答したりする経営者、管理責任者がいる。成果が上がらないのは、強い思いと決断をしていない経営者、管理責任者の姿勢を、そこに働く人たちが見ているからであろう。

以上を前提に、これからISO22000を導入する組織に若干のアドバイスをしたい。

【1】ISO9001を導入済みの組織
ISO9001を導入し、認証登録している組織はISO9001の6.3「インフラストラクチャー」、6.4項「作業環境」、7項「製品実現」、8.2項「監視及び測定」、8.3項「不適合製品の管理」の手順の追加で、効率よい対応が可能であろう。

【2】ISO9001を導入していない組織
ISO9001を導入しておらず、初めてマネジメントシステム規格の要求に基づいた仕組みを作ろうとする組織は、
(1)現状の仕事のやり方を把握
(2)規格の用語の理解、要求事項(主旨は何か)の理解
(3)規格要求事項と自組織の実際の仕事との突合せ、補強部分の特定
(4)マネジメントシステムや施設・設備の補強部分の策定
の手順で準備を進めることがよいではないだろうか。

<アイソムズ 2006年11月号掲載>

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