四つの視点 第38回(2) 今月のテーマ「ISO22000への期待」

四つの視点(第38回) 今月のテーマ「ISO22000への期待」

「スリム化」「見える化」の視点から

研修機関/(社)中部産業連盟 東京本部 主任コンサルタント 山崎 康夫 氏


消費者の信頼回復に向けて


ISO22000が昨年9月に発行されて約1年が経過した。認定機関であるJABが正式に認定申請受付を来年3月から開始する予定であることを公表し、これから本格的に企業においてISO22000のシステム構築が開始されると思われる。

われわれ(社)中部産業連盟は、マネジメント専門の公益法人として、品質/環境/労働安全/情報セキュリティなど各種ISOを手がけているが、HACCPについても2000年から指導してきた。ISO22000についても、現在数社、来年の認証に向けて指導しているところである。

最近の傾向として、流通業界の食品安全に対する取組みが目立つようになってきた。GFSI(Global Food Safety Intiative:世界の食品流通の60%を占める大手48メンバーで構成)が委員会として、ISO22000を取りあげている。またCGC(首都圏の大手CVの連合体)安心部会や、イオンや農協など日本の大手流通業者も食品安全への取組みを打ち出している。

このような状況の中で、食品製造業や関連企業への流通からの食品安全規格導入の圧力が確実に強くなってきている。またISO9001をすでに認証している企業が、ISO22000に乗り換える事例がでてきている。

昨今、HACCPを取得した企業においても多くの食品事故が起こっており、消費者の食品業界への不信感は増大している。食品関連企業にとっては、ISO22000のマネジメントシステムを導入することにより、食品安全管理を実現し、それが消費者の信頼回復につながっていくであろう。

「スリム化」、「見える化」の具体的手法


上記の環境の変化により、これからISO22000に取り組む食品企業が増えてくると思われるが、導入の方法を間違えると非効率なものになってしまう。多くの企業は、ISOの認証取得をすることを第1目標にしている。会社の実態に合わないISOシステムを導入し、また運用面でも食品安全チームと一部の関係者に任せてしまっており、現場の作業者にまったく情報が伝わっていない場合が多い。その結果、事故やクレームがなかなか減少しない。

このような問題点を解決して、ISO22000を食品工場の有効なマネジメントシステムとして活用していくには、ISOシステムを「スリム化」「見える化」の視点から構築、導入していくことである。

「スリム化」の具体的な手法を、以下に示す。

(1)規定の文書化を極力なくし、スリム化する。原則とし、プロセス単位で「フローチャートと帳票」で構成し、現場作業者にわかりやすいものにする
(2)ムダな帳票・記録の統廃合を行ない、業務改善を実施
(3)文書承認は原則として、作成と承認だけにし、決裁を速くする。また定型業務は、承認者をできるだけ上位者から下位者に権限委譲する

また食品工場における「見える化」としては、不良やクレームがわかる、その再発防止対策がわかる、異物混入の予防手段がわかる、トレーサビリティがわかる…など現場従業員にもすべてPDCAが見えるようにして改善を図っていくことである。

<アイソムズ 2006年11月号掲載>

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