グローバル・ニュース 2008年7月号(3)
マネジメントシステム構築の間違い
─ISO要求要項のベースにある「プロセスアプローチ」の考えを再考─
DASジャパン(株) 萩原 睦幸
ISOが役立たないと嘆く前に、自組織のマネジメントシステムがどのように構築されているのかを検証してみたらどうか?
もし、ISO要求事項の羅列に毛が生えた程度のものをシステムとしていたなら、役立つはずはないのである。システム構築の基本は、自組織の業務が中心にならなければならない。
じつは、ISO要求事項のベースに「プロセスアプローチ」という考え方があり、まさにこれは、日常の業務プロセスを再度見直し・整理し、効率化や社員の活性化を目的とした「業務のリストラクチャリング」を狙ったものなのだ。
もともとISO要求事項は、システム構築の枠組みを提供しているだけで、日常の業務はこれ以外にたくさん存在する。
つまり、マネジメントシステムの構築は、現状の業務をISO要求事項の観点からチェックし、不足するところがあればシステムとして追加する単純作業なのである。この際、各々の要求事項が自組織のどの業務に該当するかを慎重に検討する必要がある。すると、ほとんどの要求事項が日常の業務のどこかに関係していることに気づく。この整理をすることで、システム構築の半分はでき上がってしまったようなものだ。
もう一つ重要なことは、業務の改革も同時に考えること。どうしても日常の業務の繰り返しはマンネリ化を招く。そこでこの業務改革をシステム構築と同時に積極的に進めるべきである。
このように、ISOの意図や基本をしっかり理解していれば、役立たないはずはないのである。
萩原睦幸(ハギワラ ムツユキ)
大手電機メーカー勤務後、ISOコンサルタント、講演、執筆、審査などで活躍。2006年には英国系審査登録機関DASジャパン(株)を設立。現在、同社代表取締役。また「ISOが見る見るわかる」「間違いだらけのISO9000」「図解ISO22000のすべて」など、ISO 関連のベストセラー書籍を多数執筆している。1996年3月グローバルテクノ主催EARA認定環境監査員研修コース(現・ISO14001審査員研修コース)修了
<グローバル・ニュース 2008年7月号掲載>

