グローバル・ニュース 2009年1月号(4)

グローバル・ニュース 2009年1月号(3)

カーボン・オフセットとは何か
2008年は急速に制度づくりが進んだ“カーボン・オフセット元年”


地球温暖化問題によって低炭素社会の構築に向けた対策の必要性が高まる中、産業、運輸、業務、家庭といったあらゆる分野で、市民、企業等が主体的に排出削減を進めていく手段の一つとして、近年「カーボン・オフセット」が注目されている。

「カーボン・オフセット」とは、市民、企業等が自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等を購入すること、または他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施することなどにより、その排出量の全部、または一部を 埋め合わせることをいう。

オフセットの取組みは欧米から始まったといわれており、国内においてもその取組みが加速度的に増加し、2008年11月時点で商品・サービス型のカーボン・オフセットだけで300を超える件数となっている。

具体例としては、
・カーボン・オフセットガソリン:消費者の自動車使用に伴うCO2をオフセット
・カーボン・オフセット年賀状:年賀状購入者の生活に伴って排出されるCO2の一部をオフセット
・カーボン・オフセットツアー:ツアー代金にオフセット料金を上乗せして、航空機等の使用によるCO2をオフセット
などがあげられる。

2008年2月、環境省はカーボン・オフセットの意義や効果等を明確にし、各種課題に対応するため、有識者からなる検討会の議論を踏まえ、カーボン・オフセットに取り組むにあたり、留意すべき原則を示した「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」を策定した。

さらに、環境省では、2008年11月に国内排出削減・吸収プロジェクトにより実現された温室効果ガス排出削減・吸収量の「オフセット・クレジット制度」を開始、「カーボン・オフセットの取組みに対する第三者認証機関による認証基準」を公表した。本制度を活用したプロジェクトのアイデアをモデル事業として募集し、1件の申請を受け付けた。

同制度においては、対象となる温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトを「ポジティブリスト」として掲載し、プロジェクト事業者がプロジェクトの申請に際して満たすべき要求事項を「適格性基準」として整理している。この「適格性基準」を満たせばプロジェクトの追加性(本制度が存在しない場合に対して「追加的」な温室効果ガス排出削減をもたらすこと)が立 証されたこととなる。

現時点では、「化石燃料から未利用林地残材へのボイラー燃料代替」についてポジティブリストに掲載しているが、今後はエネルギー分野として「新エネルギー対策の推進(グリーン電力証書)」、「化石燃料から木質ペレットへの燃料代替」、「再生可能エネルギー設備導入(太陽光パネル等の設置)」、吸収源分野として「森林整備等によるCO2吸収(森林管理)」について掲載することを検討している。

今後は、認証されたカーボン・オフセット商品へのラベル付与も検討されており、まさに2008年は制度づくりが急速に進んだ「カーボン・オフセット元年」といえる。来年度以降は、これら制度を一般消費者に普及・促進していくことが大きな課題であろう。

<グローバル・ニュース 2009年1月号掲載>

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