グローバル・ニュース 2009年7月号(5)

グローバル・ニュース 2009年7月号(5)

ISO 50001(エネルギーマネジメント)の全貌 —注目を集める具体的内容—

ご存知のように、ISOではエネルギーマネジメントの国際規格を策定中である。本誌では現在までのISO 50001の情報をまとめ、本号で掲載させていただくが、引き続き情報が入り次第報告する予定である。

1.規格化の経緯

2008年2月にアメリカの国家標準化団体であるANSI (American National Standards Institute=米国規格協会)がエネルギー管理に関する国際規格作成をISOに提案したことがそもそものきっかけ。ISOがその提案を承認し、審議 委員会としてPC242を設置し、規格策定作業が開始された。幹事国はアメリカとブラジル、日本はPメンバーとして参加することが決まった。

第1回会合は2008年9月にワシントンで行われ、2009年3月にブ ラジルで開催された第2回ISO/PC242総会においてCD(委員会原案)として文書化されることが決定した。予定ではISO 50001(エネルギーマネジメントシステム—要求事項及び利用の手引き)として2010年末の発行を目指している。

2.規格の内容

ISOによれば、「ISO 50001はエネルギーに関するすべての面を管理するための国際的な枠組みであり、エネルギー効率を向上させるために、組織に技術面、管理面での戦略を提供し、コストダウンを図るとともに、環境パフォーマンスを向上させることを目的として開発されたものである。また、この規格はあらゆる会社、工場、事務所、商業施設などに適用可能で、この規格の普及により世界のエネルギー使用量の60%までに影響を与えることができる」といっている。

しかし、その具体的内容は現時点では明確ではなく、PC242のWD2(作業原案)の目次によると、

4.エネルギーマネジメントシステム要求事項
4.1 一般要求事項
4.2 経営層の責任
4.3 エネルギー方針
4.4 計画
4.5 実施と運用
4.6 パフォーマンスの点検
4.7 トップマネジメントによるエネルギーマネジメン トシステムレビュー

という構成になっている。

ただ、一番肝心のマネジメントすべき「エネルギー」の内容が定義されておらず、そこがどのような内容になるのかが最大のポイントになろう。

現在は「管理対象のエネルギーは組織が決定する」あるいは「組織のエネルギー使用の状況を把握し、エネルギー使用のベースとなる基準を作成、これに基づいて実際の使用状況との乖離を評価、コントロールする。そして設定されたエネルギー目的・目標に対する達成状況も評価する」というマネジメント部分に特化した断片的な情報が多い。

ただ、今年4月に改訂されたJISC(日本工業標準調査会)の「管理システム分野における国際標準化アクションプラン」では「エネルギーマネジメントの分野については、大変重要なテーマである。また、我が国では、長年の省エネ法の優れた運用実績等から、エネルギーマネジメント分野においては、世界の先端を走っている。国際規格の開発の作業を通して、我が国の優れた省エネ法の考え方を、少しでも多く、国際規格に盛り込んでいく」と述べており、ISO 50001規格が日本の「省エネ法」とも共通する部分があるように思われる。

3.認証用規格として

「ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム—要求事項及び利用の手引き)」と末尾が1 番である限り、例えばISO 9001、ISO 14001、ISO 27001のように、ISOマネジメントシステム規格の通例として要求事項と仕様を含む認証用規格であることは間違いない。

ISO 50001の規格本体、認証スキームなどがどのような形になるのかは、今後の推移を見守りたい。


<グローバル・ニュース 2009年7月号掲載>

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