グローバル・ニュース 2009年10月号(4)

グローバル・ニュース 2009年10月号(4)

ISO 50001(エネルギーマネジメント)シンポジウム開催
─「省エネ法」と他規格との整合性が課題か─


「グローバル・ニュース」 前号にて既報のとおり、エネルギーマネジメントシステム規格「ISO 50001」の策定作業が進んでいるが、同規格について初のシンポジウムが開催され、CD(委員会原案)段階の全容及び周辺情報が明らかとなった。

1. ISO/CD 50001概要


2008年2月に新規業務項目として可決され、策定作業が始まった「ISO 50001」は、2009年3月に開催されたブラジル会議にてWD2へのコメントが処理され、現在CD段階に至っている。

CD段階での規格概要としては、
(1)組織が、エネルギーパフォーマンス、エネルギー効率や省エネルギーの継続的向上を達成するための取組みを可
  能にするエネルギーマネジメントシステム(EnMS)を確立、実施、維持、改善するための要求事項であること
(2)エネルギー供給、エネルギーの使用の測定、文書化、報告、エネルギーを使用する機器・システム・プロセスの調達
  と設計の実際について言及していること
(3)エネルギーに関し特定のパフォーマンス基準には言及 しないこと
(4)組織が監視でき、影響を及ぼすことができるエネルギ ーの使用に関して、それに影響を与えるすべての要素に適用さ
  れる。また、他のマネジメントシステムと併用、統合することができること
などが報告されている。

2. 省エネ法との整合


WD2に対して日本からは「省エネ法」との整合を図るべく積極的にコメントが出され、CD段階では相当の成果が見られるという。

特に、「燃料、熱、電気に対する省エネルギーに焦点をあてた規格とすべき(水、代替エネルギーなどの排除)」ことや「コストは重要な要素であるが、規格上で第一次的な目的とすべきではない(省エネルギーと反して低価格エネルギーのみを追うことになりかねない)」という主張などが通った形となっている。

3. 導入・普及に向けて


上記のとおり、国内審議委員会ではISO 50001と省エネ法の整合に一定の成果を認めており、「省エネ法に準拠しつつISO 50001に適合することは可能」としている。

また既存のISO 14001やISO 9001との両立・統合も課題となるが、PDCA サイクルに基づくマネジメントシステム規格である以上、運用上で解決可能な課題と思われる。今後の事例研究に期待したい。

また、本シンポジウムで興味深いアンケート結果が報 告されている。(社)電子情報技術産業協会(JEITA)が会員企業を対象に実施したものであるが、ISO 50001認証について「規格化後すぐに取得する」が0%、「数年内に取得する」が12%、「判断保留」が84%となっている。「判断保留」の理由は「業界動向をみて判断する」が最多であり、さらなる動機付けが必要となりそうだ。

一方、同アンケートではISO 50001に望むこととして、「省エネ法、ISO 14001 と同等の管理で済むこと」、「ISO 14001 との共通部は一緒に認証できること」などの低負担を希望する意見が多数を占めている。

認証に対する動機付けと低負担、この2点をいかにアピールできるかがISO 50001 普及の鍵を握っているといえるのかもしれない。

<グローバル・ニュース 2009年10月号掲載>

ISO研修はグローバルテクノ