特集 ISOとは何か 新入社員のためのISOガイド2006
トップのコミットメント
経営者の責任
マネジメントシステムの構築では、「トップの関与(コミットメント)」がもっとも重要といわれる。この場合、「トップ」といっても必ずしも「社長」とは限らない。認証取得をしている組織のトップのことで、工場長や支社長などの場合もあるだろう。ISOマネジメントシステムでは、これらトップのことを「トップマネジメント」と総称している。
ISOマネジメントシステムでは、トップマネジメントに対して様々な要求事項が設定されている。例えば、
・方針、目標の設定
・責任と権限の明確化
・経営資源の供給
・マネジメントレビューの実施
などである。
以下、マネジメントシステムにおけるトップマネジメントの重要な役割について説明する。
方針の設定
マネジメントシステムはトップマネジメントによる「トップダウン」で行われることが重要といわれる。つまり、トップは組織や事業に対する思いや狙いを「方針」として明確にし、組織の末端にまで周知徹底させ、社員のベクトルを一致させることがマネジメントシステム運用の基本になる。
ISO9001、ISO14001、またはISMSを取得している企業であれば、社内のどこかに「品質方針」「環境方針」「情報セキュリティ方針」と書かれたポスターや額縁が掲示されているだろう。そこに書かれている「方針」は単なる飾りではない。この会社をどのような目的で、どのような会社にして、どのように事業を展開したいのか、トップの思いや狙いが込められたものだ。会社のすべての業務はこの方針に基づき、方向づけられている。そして、マネジメントシステムでは、この方針に基づき具体的な「目標」も設定される。
責任と権限
トップに求められる要求事項として、次に重要なことは「責任と権限」の明確化である。
ISOマネジメントシステムでは、システム管理者として「管理責任者」を置くことが要求されている。この管理責任者もトップの責任において任命される。管理責任者は、トップの代行としてシステムの構築、運用、維持について責任を持ち、トップに対してマネジメントシステムの改善提案も行える力量のある人物が任命されている。
また、トップの方針を受けて具体的な「目標」が設定されるが、そこで設定された目標について誰がその達成に責任を持つのかが明確にされる必要がある。目標は部・課単位で設定されたり、個人単位で設定されたりする場合もあるが、それぞれの目標に対して改善活動を行って結果を出すためにはその責任の所在を明確にしておかなければ達成計画は機能しない。そのため通常は、目標が設定された部門長などが責任者となることが多い。
さらに、責任と権限は日常業務においても明確にされている。様々な申請の承認、決裁などはどのような流れで、誰が行うのか、社内のルールを確認しておくとよい。
■業務分掌の例
<アイソムズ 2006年4月号掲載>

