特集 ISOとは何か 新入社員のためのISOガイド2006
ISO9000シリーズの歴史
品質管理・品質保証規格の源流
基本的に品質管理・品質保証の規格であるISO9000シリーズが制定されたのは1987年のことである。品質管理・品質保証とは、米国で築かれた「品質保証」システムの考え方をモデルにし、生産管理業務全般を指した言葉(ISO9000シリーズでは2000年版でマネジメントの概念をアピール)である。
この品質保証システムの源流は、第二次大戦後、米軍の調達部門が製品への技術的な要求に加え、製品の生産管理面の要求を米軍規格MILQ9858Aとして1963年に制定(この規格のおおもとは以前から存在)されたことに始まり、その後、米国の国家規格であるANSI Z1.15となるのは有名な話である。
1970年代に入ると、供給者が要求した仕様を満たした製品を供給できていることの信頼性を担保するために品質管理・品質保証の重要性がますます認識されてくる。品質保証モデルとして英国ではBS5750が、仏ではNFX50-110が、ドイツではDIN55-35が、カナダではCSAZ299がそれぞれ国家規格として制定される。
ヨーロッパの事情
1980年代になるとヨーロッパ、特に英国、オランダでは、自国の製品や産業を強化するため国家による認定機関が設立され、審査登録制度が導入される。中でも英国では社会主義的経済の国営企業からの脱却がサッチャー首相によって図られ、民営化された企業の競争力を確保し、中小企業の育成・強化を図ることを目的に英国規格BS5750の国際化と、それを用いた第三者審査による企業の管理体制の強化・推進に乗り出している。
この状況下での審査登録制度そのものは、認定機関により適格性や信頼性を認定された審査登録機関が自国やヨーロッパ域内で認知された品質管理や品質保証の規格を用いて、組織の品質管理体制が規格に適合しているかどうかを審査登録するもので、今日の原型となったともいえる。
また、ECという地域統合経済体制の下、域内の通商障害を取り除き、産業の成熟度や技術レベルの異なる国々の不信感を払拭し、便益を図る意味もあったことが、EC以外の国々にも普及する背景となる(それがWTO/TBT協定に発展)。
ISO9000シリーズの制定
以上のような経緯の中で1976年にISO/TC176が設立され、品質管理・品質保証規格の作成が開始される。今も国際規格の制定は既存の国家規格をベースに作成されるケースがあるが、1982年頃には米国規格ANSI Z1.15と英国規格BS5750がその対象となり議論された。米国がガイドライン規格を主張したのに対し、英国は自国産業の育成と国際競争力確保という理由から、第三者審査登録制度採用の論陣を張った。
英国の考えが入れられた結果、1987年に品質管理及び品質保証に関する国際規格ISO9001~3が第三者審査登録の規格として発行される。その後、1994年に改訂版が、2000年にはISO9001に統合され、品質保証からさらに進んで、品質マネジメントシステム規格として発行されるという経緯をたどっている。
主要な関連規格開発の歴史
1963年/米軍規格、MILQ9858A制定
1979年/英国規格BS5750制定
1987年/ISO9000シリーズ制定
1990年/ISO10011制定
1991年/日本でJISZ9901制定
1994年/ISO9001:1994発行、QS-9000発行
1996年/ISO14001制定
1999年/OHSAS18001制定、ISO/TS16949制定
2000年/ISO9001:2000発行、ISO/IEC17799制定
2003年/ISO13485制定
2004年/ISO14001:2004発行
2005年/ISO20000制定、ISO22000制定、ISO27001制定
<アイソムズ 2006年4月号掲載>

