特集 ISOとは何か 新入社員のためのISOガイド2006
ISO9001の効果
QMSの代表的効果
ISO9001の効果としては、一般的には下記のような内容があげられる。
・社内の業務システムの再構築ができ、社内のシステムを継続的に改善する仕組みを機能させることにより、経営目標(顧客満足度の向上など)を達成するための体質が強化され、トラブルの再発防止、ノウハウの蓄積、リスクマネジメントなどを可能にする
・担当業務に対する責任の所在が明確になり、従業員の目標達成へのモチベーションを高めることができる
・ISOの認証取得を取引条件としている企業がますます増えてきており、営業戦略上有利になる
などであるが、要約していえば、QMSの運用を通じて、仕事のやり方の質が向上できるので、組織そのものの体制強化・確立が図れるため、経営目標に向けての取組みが強化できることではないだろうか。
QMSは変革のツール
もう一つの側面は、顧客満足への対応や継続的改善などのPDCAサイクルを軸として組織を変革するためのツールであることだ。
時代とともに変化する顧客のニーズを的確にとらえ、改善し、PDCAサイクルを回すことによって実現していく。いわばスパイラルアップするためのツールであり、ともすれば現状に止まり停滞しがちな企業風土を変化させるためのツールでもある。
QMSの負の側面
ところで最近声高に叫ばれているものに「ISO9001は役に立たない」というものがある。
「審査の時だけ記録を揃えて取り繕う」「形骸化した運用を続けている」「文書管理などシステム維持が仕事の目的になり本業が疎かになった」「二重のシステムになっている」などなどである。
しかし本当にそうなのであろうか。やはりそこにはISO9001の本質が理解されていない、二重構造になっている組織のマネジメントシステムの欠陥がどうしても浮かんで見えてしまうというのは言い過ぎだろうか。ともかくQMSをツールとして使い組織のマネジメントシステムとして生かすも殺すも組織自身であるという原点を考えてもらいたい。
複雑化するマネジメントへの対応
最近、統合マネジメントシステムで認証取得する企業が増えている。この統合も、従来は品質なら工場と本社を一体化したものが主流であったが、今や品質、環境、情報セキュリティ、労働安全衛生など異なった規格を自組織で一体化して取得する内容に変化してきている。これはまさしく「組織のマネジメントシステムは一つ」を象徴している出来事だ。
さらに統合が一番難しいといわれてきた経理関係でも「内部統制」というISO9001に酷似したマネジメント体制の構築が、会社法によって義務づけられようとしている。
それらのベースとして考えられるのがISO9001のマネジメントシステムといえなくもない。
QMSの存在理由をもう一度見つめ直す時期になったと、はっきりいえるのではないだろうか。
■品質マネジメントシステムの役割
<アイソムズ 2006年4月号掲載>

