特集 ISOとは何か 新入社員のためのISOガイド2006
直接的環境側面と間接的環境側面
「管理できる」ことと「影響を及ぼす」こと
ISO14001は、組織活動、製品・サービスの「環境側面」を管理して「環境影響」を軽減することが運用の目的であることはすでに述べた。
ところでISO14001の「4.3.1 環境側面 a)」では以下のような記載がある。
「……活動、製品及びサービスについて組織が管理できる環境側面及び組織が影響を及ぼすことができる環境側面を特定する。……」(JISQ14001:2004)。
つまり「環境側面」には、組織の活動、製品及びサービスにおいて「直接的に管理できる側面」と、「間接的に影響を及ぼすことができる側面」の2種類あることになる。
以下、前者を「直接的環境側面」、後者を「間接的環境側面」として説明する。
直接的環境側面
直接的環境側面とは、企業の活動において直接、環境負荷の軽減を管理することができるものである。例えば、工場で製品を製造するために消費するエネルギー、発生する廃棄物などが相当する。またオフィス内の、いわゆる「紙、ごみ、電気」もこれにあたる。
前項の「ISO14001の狙い」でも触れたが、ISO14001の1996年版当時、この「紙、ごみ、電気」のみを著しい環境側面として特定する例が散見された。
もちろん「紙、ごみ、電気」を管理することはエネルギー消費や廃棄物の軽減につながるものであり、必要なことである。しかし、それだけではISO14001の意図とは異なる。
間接的環境側面
間接的環境側面とは、組織が直接環境負荷の軽減を管理することはできないが、製品やサービスの設計、提供の方法などに環境配慮することで、環境負荷の軽減に影響を及ぼすことができるものである。
この間接的環境側面は、事業所内の活動だけではなく、製品・サービスを提供するプロセスの上流から下流までを対象にして抽出することができる。例えば製造業であれば、環境にやさしい製品の設計・開発、環境負荷の少ない資材の調達、包装・梱包資材の削減、環境負荷の少ない輸送システムの利用、リサイクルの推進など。またサービス業や事務所内においても環境配慮製品の購入や社会貢献活動、環境配慮したサービスの企画・提案などが考えられる。
これらすべてを著しい環境側面として特定し、管理することは困難であるが、その範囲は組織の裁量により決定してよい。
しかし、公害管理から組織の環境マネジメントの時代となり、そして現在は製品指向の環境マネジメントが要求される時代である。欧州では、WEEE指令(廃電気・電子機器リサイクル)、RoHS指令(特定有害物質の使用制限)などのEU指令が2006年7月から全面施行される。社会環境やニーズの変化をとらえて、組織が活動、製品・サービスの環境側面をどう特定するかは、今後のISO14001運用において、まさに組織の環境改善活動の意識を問われる問題となるだろう。
■直接的環境側面と間接的環境側面
<アイソムズ 2006年4月号掲載>

